本年2025年(令和7年)は梅原猛の生誕100年です。
本年を機に、梅原記念財団は動きはじめます。

●Topics(2025年2月25日)梅原猛生誕100年にあわせ、下記番組がNHK総合で再放送されます。

・「NHK映像ファイル あの人に会いたい 梅原猛さん」(2019年4月放送)

・ 放送日時:2025年3月15日(土)午前5;40~5:50

●Topics 京都新聞1月3日号に「梅原猛生誕100年特集記事」が掲載されました。

●Topics 3月20日(木・祝)に京都で、生誕100年記念フォーラム「これからの梅原猛」を開催します。

参加者募集中! 申し込み締切:3月5日(水)必着
参加ご希望の方は、上記チラシ裏面「参加応募方法」をご一読の上、
下記のURLから「申込フォーム」でご応募ください。
URL:https://x.gd/pPCEC

当財団について

梅原記念財団は、学問や芸術について、過去をふりかえりながら未来へと発信していく一般財団法人として、平成26年、京都に設立されました。

財団の生みの親ともいうべき梅原猛は、令和の時代を見ることなく、平成31年1月12日にあの世へと旅立ちましたが、梅原記念財団は、故人の遺志を偲びつつ、学問や芸術を通じて、いろいろなかたちで、社会貢献をしていきたいと考えています。

哲学的精神

東山の麓を京都で唯一南から北へと流れる川に疏水があります。疏水は人工的に造られた文明開化の香りのする川ですが、その疏水に沿って「哲学の道」が敷設されています。

「哲学の道」はドイツの学問の街ハイデルベルクにあります「哲学者の道」にちなんで命名されたとされますが、一般的には、ある哲学者が散歩をした道として知られています。その哲学者の記念碑が、「哲学の道」の中途にあります。石碑にはこう彫られています。「人は人 吾はわれ也 とにかくに 吾行く道を 吾は行なり」。哲学者とは、いうまでもありません、西田幾多郎です。

梅原猛は、哲学者の西田幾多郎に憧れて、昭和20年、戦争の真っ只中、京都大学文学部哲学科の門をくぐりました。入学式を終え、愛知県は知多半島の南端に近い海の町、故郷の内海に帰ると、赤紙が届いていました。戦争が終わり、復学し、梅原猛は、やがて、京都の地で、哲学を一生の仕事とすることになります。

哲学(philosophy)とは何でしょうか。ギリシア語の語源からしますと、知を愛するということです。哲学が明治時代に学問として移入されたときに、訳語として、「愛知学」とする案もあったほどです。哲学とは、ソクラテス以来、知を愛し、ものごとを徹底的に考えるということです。あれやこれやと考えることです。その意味で、どのような学問も哲学です。ものごとを根底から考えようとする以上、どの学問もその根っこに哲学が要請されているはずだからです。ですから、哲学は「万学の母」ともいわれてきました。

梅原記念財団は、知を愛し、哲学を愛するものとして、いまここにあります。

京都の地

京都は1000年以上も都のあった古都です。三方を山で囲まれ、四季に包まれ、社寺が屋根を連ね、風光明媚な、世界でも有数の観光地でありましょう。京都を訪れる外国からの観光客は後をたちません。中国の条里制を模して造られたその意味で人工的な都市ではありますが、一歩山へと踏みいると、野生の狐や狸や鹿や猪にも遭遇する、自然に恵まれた都市でもあります。

この都市で文化は花咲きました。まさしく百花繚乱です。いろいろな宗教家や芸能者や文化人がこの地に停留しまたこの地を往来しました。今日にいたるまでの往時のそのさまは、歴史的建造物や美術品としてまた無形の芸能形態としてまた文学的なテキストとして数多く伝えられ、京都の地でそれらを追憶することができます。

京都は、また、さまざまな人物や事物を観察してきた都市でもあります。梅原猛は「京都は、文学でいうと、創作者よりも批評家を多く生んだ」といっていました。行き交う権力者や宗教家や文化人や商人を観察してきました。時代のウォッチャーです。流行には機敏ですが、それに同化してしまうことはありません。京都は鋭敏な観察眼と厳正な批評眼で見張られている都市であります。保守でありつつも革新でもあり、伝統でありつつも先端でもあります。

梅原記念財団は、そのような京都の地で、学問や芸術について、過去をふりかえりながら未来へと発信していきます。

ところで、京都は、その育まれた文化のある特異な部分を抽出し、キャッチコピーにされることがあります。そして、その尖ったキャッチコピーで文化が喧伝されることがあります。「おもてなし」もそのたぐいかもしれません。

梅原記念財団は、いかなる意味においても、そのような突出したものとして京都をとらえることはしません。むしろ、凹地として京都をとらえます。いろいろな文化が交流し沈殿する坩堝としての京都です。つまり、発信するにしても、尖った部分でもって発信するのではなく、凹地に溜まったものを掬いあげるようにして発信するのです。凹地にはじつに遠くいろいろな文化が沈殿しています。

梅原記念財団 代表理事 梅原賢一郎

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新着情報

公開日

お知らせ

スーパー歌舞伎II  新版オグリ(新橋演舞場)初上演
平成3年に梅原猛と市川猿翁がつくり上げたスーパー歌舞伎『オグリ』。スーパー歌舞伎Ⅱを生み出した四代目市川猿之助の脚本・演出による『新版 オグリ』が初上演されます。

日時:2019年10月06日ー11月25日
劇場:新橋演舞場 

原作:梅原 猛
脚本: 横内謙介
演出: 市川猿之助
演出: 杉原邦生
スーパーバイザ: 市川猿翁

歌舞伎公式サイト歌舞伎美人ホームページ
梅原猛「お別れの会」ホテルグランヴィア京都 
お別れの会は、国際日本文化研究センター 小松和彦所長を世話人代表とする有志により開催されました。
梅原猛は国際日本文化研究センターの設立に尽力し、1987年に初代所長に就任。退任後は顧問を務めました。

梅原猛「お別れの会」
日時:2019年4月21日 15時~15時30分
場所:ホテルグランヴィア京都 3階「源氏の間」

国際日本文化研究センター ホームページ
梅原猛 逝去のお知らせ
梅原猛が去る2019年1月12日永眠いたしました。(享年93歳)
ここに生前に賜りましたご厚誼に感謝し謹んでご通知申し上げます。

一般財団法人 梅原記念財団
代表理事 梅原賢一郎

イベント

梅原賢一郎 退任記念特別講義「告白」
当財団代表理事 梅原賢一郎は、定年退職に伴い長らく専任教員を務めた京都造形芸術大学(芸術学科所属)を退任し、退任記念として特別講義を行いました。

「特別講義と朗読」
講師:梅原賢一郎教授
日時:3月23日(土)14:00 開会
会場:京都造形芸術大学 瓜生山キャンパス直心館 J41教室

【 第一部 】特別講義 梅原賢一郎の「告白」
Ⅰ 過去の学問について(肉の悶えのなかで)
Ⅱ 未来の学問について(レンマの地平へ)

【 第二部 】朗読 超訳(超絶)詩集『洗濯屋さん道元』(本邦初演)
Ⅰ 「洗い屋さん道元」
Ⅱ 「干し屋さん道元」

【 第三部 】それぞれの告白「梅原賢一郎先生の思い出」
松井利夫(京都造形芸術大学 教授)
金子典正(京都造形芸術大学 教授)
卒業生代表

「梅原賢一郎先生退任記念パーティー」
日時:3月23日(土)17:30 開会 19:00 閉会
会場:ギャルリ・オーブ(京都・瓜生山キャンパス 人間館 1F)

出版

東浩紀『新対話篇』(ゲンロン叢書) 2020年5月1日発売
テレビ番組「 3.11後を生きる君たちへ ~東浩紀 梅原猛に会いにいく~」(NHK Eテレ 2012年3月26日放送)で行われた東浩紀氏と梅原猛による対談「草木の生起する国」が収録されています。

ゲンロン ホームページ
稲盛和夫/梅原猛(共著)『完本・哲学への回帰 人類の新しい文明観を求めて 』(PHP研究所)
『完本・哲学への回帰 人類の新しい文明観を求めて』(PHP研究所)が刊行されました。
稲盛和夫氏と梅原猛による対論書3冊『哲学への回帰』(1995年9月刊)、『新しい哲学を語る』(2003年1月刊)、『人類を救う哲学』(2009年1月刊)が新たに1冊の「完本」となり、いまもなお人類共通の課題である諸問題解決へのヒントを提案しています。

発売日:2020年2月26日
PHP研究所ホームページ
梅原猛(著)/羽生善治(著)/尾本惠市(著・編)『教養としての将棋 おとなのための「盤外講座」』(講談社現代新書)
『教養としての将棋 おとなのための「盤外講座」』(講談社現代新書)が刊行されました。
梅原猛と羽生善治九段による対談「いまこそ将棋を知ってほしい―大山・升田からAI、怨霊思想まで」が収録されています。

発売日:2019年6月19日
講談社BOOK倶楽部ホームページ
『芸術新潮』2019年4月号【緊急追悼特集】梅原猛 人類への遺言(新潮社)
梅原猛を追悼して、『芸術新潮』【緊急追悼特集】梅原猛 人類への遺言が刊行されました。
当財団代表理事 梅原賢一郎の「父として、哲学者としての梅原猛」が掲載されています。
新潮社ホームページ
『ユリイカ』2019年4月臨時増刊号 総特集=梅原猛(青土社)
梅原猛を追悼して、『ユリイカ』総特集=梅原猛が刊行されました。
当財団代表理事 梅原賢一郎の追悼文「父の死によせて――出生と哲学」も掲載されています。
青土社ホームページ
梅原賢一郎『洗濯屋さん道元』(七月堂)
当財団 代表理事 梅原賢一郎の超訳詩集『洗濯屋さん道元』が七月堂より出版されました。

七月堂
『洗濯屋さん道元』梅原賢一郎
2019年3月23日発行
七月堂ホームページ

「はじめに」

洗濯には二つの要素がある。

一つは、汚れのついた洗濯物をゴシゴシと洗うこと。
一つは、汚れのおちた洗濯物をピシッとのばして大空のもとに干すこと。

道元の言葉を、ちょうどそのような洗濯の要素に対応させるようにして、二つに分けることができる。

一つは、意味に汚れた語句をゴシゴシと洗う言葉。
一つは、意味の汚れの落ちた語句を見いだされた時空のなかに干す言葉。

いまここに、前者を「洗い屋さん・道元」として、後者を「干し屋さん・道元」として、道元の『正法眼蔵』の言葉を訳(超訳)し、一冊の詩集を編む。

また、「洗い屋さん・道元」にしても、「干し屋さん・道元」にしても、それぞれのうちに、さらに細かい要素を認めることができる。それらの下位の要素は、いくつかの章の見出しとして、提示されるであろう。

そして、『正法眼蔵』から抽出された各詩には、それに見合ったタイトルが各詩の冒頭に付されたことを、「はじめに」の最後に、記しておく。

メディア

宗教の時間「父・梅原猛の哲学」再放送(NHKラジオ)
梅原賢一郎が亡き父・梅原猛の
哲学の歩みについて語ったラジオ番組が再放送されます。

NHKラジオ第2
2020年6月7日(日) 18時30分~19時00分
NHKホームページ
「“知の巨人”からのメッセージ ~梅原猛 ドナルド・キーン~」(NHK総合)
耳をすませば「“知の巨人”からのメッセージ ~梅原猛 ドナルド・キーン~」(NHK総合)が放送されました。
ともに2019年に他界した梅原猛とドナルド・キーン氏の生涯をたどる番組です。

2019年12月31日(火)6時10分~6時39分
あの人に会いたい「梅原猛(哲学者)」(NHK総合)
NHK映像ファイル あの人に会いたい 「梅原猛(哲学者)」(NHK総合)が放送されました。
「自然と調和する文明に変わらないと人類の持続的発展はありえない」(梅原猛)

2019年4月5日(日)5時40分~5時50分
再放送「3.11後を生きる君たちへ~東浩紀 梅原猛に会いにいく~」(NHK Eテ レ)
「3.11後を生きる君たちへ ~東浩紀 梅原猛に会いにいく~」(NHK Eテレ)が再放送されました。
東日本大震災から1年後の2012年3月、哲学者・東浩紀さんが梅原猛の自宅を訪ね、新たな哲学について対話しました。

2019年3月3日(日)0時00分~1時00分
追悼再放送ETV特集 追悼 梅原猛「スーパー能 650年目の革新」(NHK)
梅原猛の追悼再放送がNHK ETV特集で放送されました。

ETV特集 追悼 梅原猛「スーパー能 650年目の革新」(NHK)  
2019年2月23日(土)午後11時00分(60分)
NHKホームページ
梅原猛追悼番組「独創とは勇気である~梅原猛の足跡~」(NHK総合)
梅原猛追悼番組「独創とは勇気である ~梅原猛の足跡~」(NHK総合)が放送されました。

2019年2月8日(金)19時30分~20時00分
「梅原猛 の残したもの」(ラジオ第一)
2019年1月21日(月)22時00分~放送のNHKジャーナル(ラジオ第一)で「梅原猛の残したもの」が取り上げられました。

桃乞庵庵主(賢一郎)新連載「密の国の物語」

公開日
第一話 モチ

著作

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